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[佐藤ひと美のスイーツレポート⑪]なぜ高級ホテルのスイーツが流行るのか!? 第3回 「ハイアット リージェンシー 東京編」

[佐藤ひと美のスイーツレポート⑪]なぜ高級ホテルのスイーツが流行るのか!? 第3回 「ハイアット リージェンシー 東京編」

2018/10/01

ラグジュアリーな雰囲気でゆったりとした非日常的な時間を楽しむことが出来る高級ホテル。
さまざまなテーマ設定や旬のフルーツを使ったスイーツ、季節に合わせたテーマのアフタヌーンティーセットを提供しているため、近頃は宿泊やホテルレストランの利用者だけでなく、平日・休日問わず女子会やスイーツ好きなお客さんで賑わっています。

高級ホテルのスイーツが流行っている理由を人気のホテルスイーツのご紹介と合わせてご紹介します。

 

 

 

高級ホテルのスイーツが流行るのか!?編 第3回目の訪問先としておじゃましたのは、東京 西新宿に位置する日本初のハイアットホテル「HYATT REGENCY TOKYO」。JR新宿駅や都営地下鉄線「都庁前駅」、東京メトロ「西新宿駅」などから近く、アクセス的にも便利なホテルです。

2018年9月14日(金)から約2ヶ月間、スイーツ好きが注目するコラボイベント「HYATT REGENCY TOKYO GILLES MARCHAL FAIR(スイーツの魔術師 ジル・マルシャル フェア)」が開催しているのをご存知でしょうか?
今回はプレス発表会に伺い、ジル・マルシャルシェフご本人にもお会いしててきました。

 

 

日本ではなかなか手に入らない、世界屈指のパティシエが監修したオリジナルスイーツを、パリに行かずして東京で味わえる絶好の機会です。

 

 

■パティシエ ジル・マルシャルシェフについて

 

フランスのみならず、日本をはじめ世界中に多くのファンを持つジル・マルシャルシェフ。スイーツ界では特に有名です。

1966年フランス・ロレーヌ地方生まれ。
29歳の若さで「Plaza Athenee(プラザ・アテネ)」シェフ・パティシエに就任。
1999年から7年間、フランスのホテル最高級格付け「パラス」の称号を誇るラグジュアリーホテル「Hotel Le Bristol Paris(ホテル・ル・ブリストル・パリ)」のシェフ・パティシエを務めた後、日本でもファンが多いフランス老舗チョコレートブランド「La Maison du Chocolat(ラ・メゾン・デュ・ショコラ)」でクリエイティブ・ディレクターとして活躍。

2011年には、フランスの雑誌「VSD」で「世界の優れたパティシエ10人」に選ばれ、2014年にはパリ18区 モンマルトルに自身のパティスリーをオープンしました。

 

 

実は私の中で「ハイアット リージェンシー 東京」が何故、フランス パティシエの中からジル・マルシャルシェフを選び、フェアを行うことになったのかが疑問だったのですが、その理由をペストリー・ベーカー料理長 佐藤 浩一 シェフに教えてもらいました。

 

佐藤シェフがパリで修業していた当時、「ホテル・ル・ブリストル・パリ」で活躍し、注目されていたパティシエがジル・マルシャルシェフでした。
勉強を兼ねてよくレストランやサロンに行き、味わいとセンスの良さに感銘を受けていたのだそうです。
もちろんフランス洋菓子界にはピエール・エルメ シェフや、フィリップ・コンティチーニ シェフといった偉大な方々もいましたが、佐藤シェフにとってはジル・マルシャルシェフが当時パリNo.1のパティシエで、憧れの存在でした。
そんなジル シェフがラ・メゾン・デュ・ショコラを退任し、自身のお店をオープンしたのをきっかけに、一緒に仕事が出来ればと思ってオファーをしたところ、念願がかなったのだそうです。

 

そして、このフェアに欠かせないもう一人が「ハイアット リージェンシー 東京」ペストリーシェフ仲村 和浩氏。
製菓学校を卒業後、「ティエリー・ミュロップ」(フランス・アルザス)にて研修。2007年「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」で勤務、大阪のペストリーショップの立ち上げにシェフとして携わり、12年ハイアット リージェンシー 東京に入社し、翌年からペストリーシェフに就任。
14年にはM.O.F.ショコラティエのクリスチャン・カンプリニ氏の下でショコラについても学びました。
ジル・マルシャル シェフは仲村シェフの腕を最大限に信頼しており、二人のチームワークによる「ハイアット リージェンシー 東京」でのフェアが人気を集めています。

 

 

■特別コラボレーションイベント

 

現代世界のスイーツ界でも注目を集めるパティシエの一人 ジル・マルシャルシェフが監修する「ジル・マルシャル フェア」。
開催期間:2018年9月14日(金)~11月18日(日)

 

2016年からスタートし、今回で3回目の開催となるコラボイベントでは、秋の味覚【栗】を活かしたホテル内の「カフェ」、「ラウンジ」、「ペストリーショップ」と、それぞれ異なるメニューでバラエティーに富んだジル・マルシャル監修のスイーツやセイボリーが楽しめます。

 

 

■秋をテーマにした“アシェットデセール”などスイーツ3品をコース仕立てにしたスイーツセット。

GILLES MARCHAL SWEETS SET
~ジル・マルシャル スイーツセット~
場所: カフェ (ロビーフロア・2F)
時間:14:30~17:00
料金:4,158円(税サ込)

 

〈アミューズ〉
Créme brûlée,Chocolate Cream with Coffee Flavor(クレームブリュレ ヴァニーユ カフェ風味のショコラクレームのヴェール)

 

バニラ高騰化の中で、こんなにも贅沢に使っていて単価は大丈夫なの?と一般人の私でも心配になるほど、細長く洗礼されたスタイルのグラス底を一面黒く染めるバニラビーンズ。
表面にスプーンを入れていくと、カリッとした軽やかな音を奏でます。そして、しっかりとした質感を感じるクリームは、ヴァローナ“カライブ”チョコレートとブラジル産コーヒー豆を生クリームに浸して合わせた、渋みと酸味の引き立つ濃厚チョコレートクリーム。その下にバニラの香り高いなめらかなブリュレがあります。

 

〈アヴァンデセール〉
Fromage Frais and Fromage Blanc, Lemon Sherbet with Lime Flavor(フロマージュ・フレとフロマージュ・ブランのクレーム シトロンソルベにシトロンヴェールの香り)

 

爽やかな香りが鼻孔に残る、涼しげな煙が立ち込める演出効果の高いグラススイーツ。
レモンの皮を忍ばしているためドライアイスの煙から爽やかでスッキリとした香りが広がります。
クリームチーズとフロマージュ・ブランを合わせたムースに、ライムゼストを効かせたクリーム、官能的なシナモンが香るサクサクの食感がいいクランブルがのり、サッパリとしたレモンの酸味が効いたソルベがキュッと一つにまとめてくれます。

 

〈グランデセール〉
Chestnut Parfait, Sable, Spicy Orange Sherbet(マロンパルフェ サブレクロッカンとエピスの効いたオランジュのソルベ)

 

マロンとオレンジを混ぜ合わせずにあえて分けることで、相性の良いそれぞれの芳醇さと甘さとジューシーな優しい酸味を活かしたパルフェ。
サーブされてからかけるの濃厚なマロンソースで味の変化も楽しめます。
ほろほろとした食感のサブレクロッカン、ラムや生クリームが入った栗のパルフェ、カルダモンの風味をつけたオレンジのソルベ。

 

 

ひんやりした口当たりに、なめらかにふんわり舌の上で広がるマロンの旨味とオレンジの甘酸っぱさ。
口に入れた時のバランスが素晴らしい、コクのあるマロンパルフェです。

 

〈Petit Four(プティフール)〉
焼き菓子として「ペストリーショップ」で販売しているプティフールと、完熟バナナとパイナップルのコンポートを生地に混ぜたケーク エキゾチックが提供されます。

コースの流れも、味わい、バランスが精密に考えられています。

 

 

クラッシックなお菓子を味・見た目ともに現代風にアレンジし、シンプルな中に究極の味を見出す[スイーツの魔術師]と呼ばれているジル・マルシャルシェフが創り出すスイーツの数々。
これはもう、是非とも自分へのご褒美スイーツに食べて欲しいオススメのスイーツセットです。
私も、味覚と嗅覚、五感全体で感じて楽しむご満悦な時間を堪能しました。

 

 

■焼き菓子をスペシャリテとするジル・マルシャルの真骨頂ともいえる「ジル・マルシャル アフタヌーンティーセット」。

 

GILLES MARCHAL AFTERNOON TEA SET
~ジル・マルシャル アフタヌーンティー セット~
場所:「ラウンジ」(1F)
期間:2018年9月14日(金)~11月18日(日)
時間:14:00~17:00※2時間制、ドリンクラストオーダーは時間から90分
料金:4,752円(税サ込)※2名様から   ※前日までに予約

〈スイーツ〉
オペラ、カヌレ、エクレール ショコラ、ケーク エキゾチック、シャルロット マロン など
〈セイボリー〉
ブリオッシュ サレ、フィユタージュ トマト、サブレ サレ、グジェール(シューサレ)など
〈ドリンク〉
20種類以上のドリンクメニュー(飲み替え&おかわり可能)

 

 

スイーツはもちろん、セイボリーもジル・マルシャルシェフ監修の「ジル・マルシャル アフタヌーンティーセット」。
手前に並んでいるのは「ペストリーショップ」でもテイクアウト販売している、オペラ、シャルロット マロンなどのプティガトーのミニサイズ、後ろは同フェアのために作られたセイボリーです。
カラフルなプレートに盛り付けられた人気のアフタヌーンティーセットが、ジル・マルシャル バージョンとなり約2ヶ月間楽しむことが出来ます。

カヌレや、マドレーヌ、フィナンシェなどの焼き菓子をスペシャリテとするジル・マルシャルシェフですが、今回はセイボリーも監修ということで注目を集める「アフタヌーンティーセット」。
ブリオッシュなどもひと工夫されていて、ベーコン入りの甘塩っぱい菓子パンタイプ。オードブルのようなサブレ サレも、5ツ星ホテルでの経験があってこそのラインナップだと感じられます。

 

 

■ロビーフロア「ペストリーショップ」のテイクアウトスイーツもどれも魅力的!

 


場所:「ペストリーショップ」(ロビーフロア・2F)
期間:2018年9月14日(金)~11月18日(日)
時間:10:00~21:00
タルト クール サクレ 648円、フィーヌ シャンパーニュ 648円、シャルロットマロン756円、オペラ 627円、

 

カヌレ(2個入り)1,080円、ケーク エキゾチック 3,564円(全て税込価格)

 

今年の新作は2つの香り高いプティガトー。

アーモンドクリームのパート・シュクレ(タルト生地)を土台に、ローリエを加えた赤ワインでコンポートしたイチジクとプルーン、その上にチョコレートの層、ミルクチョコレートムースと、キャラメルが層になった濃厚な「タルト クール サクレ」と、

 

ヘーゼルナッツのダックワーズ、キャラメル、キャラメリゼしたヘーゼルナッツに、コニャック風味のバタークリーム、ヴァローナの“カライブ”を使ったビターなサヴァイヨンショコラで包み、つやのある濃厚なチョコレートでコーティングした甘さと苦さのバランスが絶妙な「フィーヌ シャンパーニュ」。

 

そして、こちらは特に私の五感全てを刺激しリピートを即決したくらいオススメの「ケーク エキゾチック」。※3日前までの予約受注限定
しっとりとした完熟バナナとパイナップルコンポートを生地に混ぜ、バニラをたっぷり使って焼き上げた香り高いパウンドケーキ。
やわらかい生地は、口に入れた瞬間にふんわりと溶けていくかのようです。

 

期間中には何度訪れても楽しめる同フェアは11月18日までハイアット リージェンシー 東京にて楽しめます。
香り高いスイーツは是非体感していただきたい素敵なラインナップの数々です。

 

 

 

今回は「ハイアット リージェンシー 東京」の期間限定 ジル・マルシャル フェアのスイーツをまとめて調査しましたが、フランス一流シェフ監修による伝統的なフランス菓子のエスプリ、世界屈指のホテルやパティスリーで培った高い感性と技術、そしてトップパティシエだけが持つ独自の創造性。
それらを見事に融合したジル・マルシャルシェフによる魅惑的なスイーツの世界を体感できるのは、「ハイアット リージェンシー 東京」ペストリー・ベーカー料理長である佐藤 浩一 シェフが「いつか一緒に仕事ができたら」と発案し熱烈なオファーによるもの。
世界の一流スイーツを東京で実際に食べられる素敵な約2か月間が実現しました。

 

従来の「ハイアット リージェンシー 東京」で販売されているスイーツラインナップと、同フェアで並ぶジル・マルシャル 監修のスイーツ作りにおける大きな違いは、『美味しいものを作るためのこだわり』。製造工程の違いにあります。通常、焼き菓子などの型に塗る油は質感が均一になる様スプレー等で効率的に行っているそうですが、ジル・マルシャルシェフはスプレーは一切使いません。手間を惜しまずに型すべてにバターを刷毛で塗ることによる焼き色、風味にこだわりを持っているそうです。美味しいものを提供したいという考えは同じですが、それを提供するためのこだわりは半端ではないですね。

 

今年で3年目の同フェアを経験する中で、日本人にはない隠し味のセンス、バニラ、スパイス等、隠し味のテクニック。シンプルな構成の中に確実な美味しさを引き出すデザートの組み立てを学んだことにより、「ハイアット リージェンシー 東京」のパティシエ技術の向上にもつながっています。それは、カヌレなどでのバニラの使い方など、手間を惜しまないこだわりが活かされた商品が、従来のラインナップや催事で販売される短期商品に反映されています。

ジル・マルシャルシェフが信頼する腕を持つ仲村シェフをはじめ、パティシエの皆さんが日頃切磋琢磨しながら美味しさを追求しているのも大きな魅力となり、ここ最近ホテルスイーツに注目が集まっているのかもしれませんね。

 

 

 

 

ハイアット リージェンシー 東京
所在地:東京都新宿区西新宿2-7-2

tokyo.regency.hyatt.jp

 

ホテルならではの大規模なコラボ企画や、居心地の良い食空間で贅沢スイーツを楽しめるという魅力も、高級ホテルのスイーツが流行るポイントなのかもしれません。
女子会や仲間と語らう大切なひとときに活用するのに、ゆったりできる空間だと心も安らぎますし、今回のようにパリに行かずとも世界屈指のパティシエが監修した本格的なスイーツが食べられるのも魅力の一つとしてあげられます。

今回は、ホテルスイーツ第三弾としてハイアット リージェンシー 東京の『ジル・マルシャル フェア』のスイーツセット、アフタヌーンティーとテイクアウトスイーツをご紹介しました。

 

次回は今話題の第4のチョコレート情報をお届けします。